幸せな暮らし
「ソレイユ?」
「はい?」
「あのなぁ、おまえ、ナイフとフォークを使って食べるんだよ」
「ええっ?そうなの?」
「手づかみで食べるのは止めろ。いいか上品に食べるんだよ」
「わ、分かったわ……」
「で、どうだい?外の世界は楽しいかい?」
「そりゃ楽しいわよ。もっと居させて、お願いよ」
あたしは、彼の横顔を見ているだけで胸がきゅっと締めつけるられる……なんだろ?この感じは?
「仕方ないなぁ、悪さしたら直ぐに帰すからな。じゃもう少しだけな」
「ありがとう~」
今、あたしは彼の花壇で雪割草やスノードロップ達と一緒に幸せに暮らしている。
彼は、もうあたしを帰すつもりは無いようだ。
(fin)
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