第2話 続甘い生活
「さぁ、珈琲とあたしの手作りクッキーを召し上がれ」
「ほう、手作りか。そんな事も出来るのか?」
「遊楽さん、あたしのこと馬鹿にしてませんか」
クリロー花子は俺に抱きつくように身を寄せてあざとい表情で見上げている。
って、なんで花壇に並んで座ってんだよ。おかしいだろって……
「してない、してないです。花子はなんでも出来る優秀な子です、はい」
「そうそう、よろしい」
くはぁ、そこでなんでドヤ顔してんだよ。花子、今日はおかしいだろって。
「あぁ、今日はなんて幸せなんだろ。夕飯も食べて泊まってくださいね」
「ぷはぁ、花子さん……何を言い出すんですか」
「だから~、冗談ですってば、一度こんな台詞言いたかったんですよ~」
花子は、わたわたと挙動不審でしきりに花弁を葉っぱで扇いでいる。
「……」
俺はどうしたものか、考えてしまう。
珈琲を飲み、クッキーを齧る。美味い、さすが手作りだと感心してしまう。
しかし、隣で俺に身体を預ける様にもたれ掛かってる可愛い花は何だろう。
俺の理性が保てない気がする、それともこれは試練なのだろうかと考えていると、
クリロー花子が目を瞑り、濡れた花弁を差し出すように近づけてくる。
ええ~い、いくしかないか。本能に忠実に生きるんだ、俺は……
花子を抱きしめるように鉢を持ち上げ買い物かごに入れてしまうと、もう俺の理性は吹き飛んでしまったようだ。
(fin)
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