yuurakusai2のブログ

手間をかけない小さな庭の物語(クリスマスローズ、雪割草、ハーブ等、小さな庭に自生している花々を投稿していきます♪)

希望が残る


 美月は語り終えると、                                俺のグラスにライフログを注ぎ込んだ。


「美月、パンドラの箱に蓋をしようか」


「えっ?蓋ですか」


「蓋をしてしまえば箱の底には「希望」だけが残る」




(fin)

幸せな人間は・・・

 すってんてんにされなかっただけありがたく思っている


けれど千代子さんが大事にされていたと思うと胸が痛い


それも千代子さんが「あなたと同類」の環境に属する人間だったからだ



私は発達障害疑いといっても、経歴からすれば恵まれたお嬢ちゃんに過ぎない


あなたと似ているなど、とんでもない思い違いだったのだろう





心に抱えきれない辛さを安易に投影してはいけない


心のうちが苦しくても世間的に見て幸せな人間は


恵まれない人間の心に、想像もつかない何かが宿っているのを忘れてはいけない



心の複雑さ、得体の知れなさ、悪意、憎しみ


それらを感知できず「寂しい」と安々近づいていった私のおめでたさは




あなたにとって 憎悪を駆り立てるものだったのだろう





「幸せな人間は感情だけで不幸な人間に近づいてはいけない」






(続く)

半グレ達の宴

彼からすればただの金づるどころか


「世間知らず」「お嬢様」と言われるような
面白くない憎むべき存在だったのだろう


 彼を失いたくなくて差し出すお金を
フン、とひったくるようにして


 はっきり「便利だ」「俺のロボット」と


性被害にあって自尊心が低下していることさえ
「俺なんか」と怒鳴りつけて


しまいには私の前の彼女の話をする



「千代子は母子家庭でお母さんも変な人で親戚に預けられていたんだ」


「あいつは精神病で、10錠飲んだら死ぬ薬を飲んでたんだぜ。安定薬なんか」


裏社会で得をしない女は相手にしないはずのあなたが千代子さんのことでムキになる



あなたのなついている幹部の鮫さんも、私が現れたとたん


「千代子はどうしたんだ」とあなたに電話をする


そして鮫さんは千代子さんを気に入って「千代子の飯、美味い美味い」        と交流していたが


私には一切近づかなかった




ただ「彼女」ということになっている私に対して


「何かあったら助けてやるけど、自分から何かしたら助けんぞ」それだけ





(続く)