yuurakusai2のブログ

手間をかけない小さな庭の物語(クリスマスローズ、雪割草、ハーブ等、小さな庭に自生している花々を投稿していきます♪)

馴染みの園芸店で、瞠目した件

 久しぶりに馴染みの園芸店「マルシェ」の扉を開けた。


店長「いらっしゃいませ~」


店員、雛子「いらっしゃいませ♡」


遊楽「やぁ、久しぶり」


 いそいそと店長がやってくると、俺の耳元に囁いた。
「ゆうさん、本店からかなりの上玉がきやしたぜ」


「おぉ、上玉か。本店のバイヤーが流してきたのか?」


「そうです。是非にも、ゆうさんに見てもらいたいとのことです」


「くぅっ、そりゃ凄そうじゃないか」


「ぜってぇ、やばいですよ。見ますか?」


「み、見るに決まってんだろ・・・」


 もう何だか、見る前からぞくぞくしてきたなぁ。



 店長は店の奥の作業台から、「それ」を持ってきた。


俺は、それを見た瞬間、瞠目した……


 「:゙;`;:゙;`;・(゚ロ゚;)グハッ!!」

「それ」は特殊な発色をしたネオン系の花、咲き進むにつれて黄色味が増していく……


 その名は、「イルミリオン」高貴な女王様だ。



遊楽「こ、これは上玉なんてしろもんじゃねぇだろ」


店長「へへっ、どうです?連れて行かれますか?」


遊楽「まぁ、まずは話さないとな」



イルミリオン「ちこう寄れ、そなたは誰じゃ?」


遊楽「クリロー捜査官の遊楽です。お見知りおきを」


イルミリオン「して、妾をどうするつもりじゃ?」


遊楽「た、た、逮捕します」


イルミリオン「ほぉ、して罪は何じゃ?」


遊楽「ゴールドネオンの罪です」


イルミリオン「そうか、ばれておったのか。仕方あるまい」


 俺は、ガバリと女王様を抱き上げるとレジへと向かった。


女王「のぉ、遊楽とやら少し優しく扱え」


「はぁ、すいません」


 女王様の前ではどうにも、ヘタレな俺だった。

ガーデンセンターで見つけたのは・・・

 あたしは、ガーデンセンターの片隅でひっそりと息を潜めて生きている。
周りの仲間達は、徐々に少なくなって寂しいけれど、仕方ない事だと諦めている。


 開店の時間になると、ドキドキと胸が高鳴る。
今日こそは誰かに買われてしまうのだろうか?
いい人だといいなと思う。

 あたしの居るコーナーを巡ってくる人が見えてきた……。
緊張が一気にあたしの身体中を電流の様に駆け巡る。


「おっ、これは凄いな。これは原種だな」
ぶつぶつと呟きながら男がやってきた。


遊楽 「あ~、みっ~け!」


クリロー「……」 


遊楽 「何、しらばっくれてんの?」


クリロー「えっ?あたし?」


遊楽「決まってるでしょう、逮捕します」


クリロー「ええっ?どうして逮捕するの?」


遊楽「俺はクリロー捜査官だからな、お前をいちごみるく罪で逮捕する」


クリロー「いいけど、お仕置きはしないでね」


遊楽「わかった、放置プレイにする」


クリロー「……意味わかんない」


遊楽「いいんだ、俺だけ分かれば……」


(品名、いちごみるく↓)

恋のトライアングル(完結)

 雛子の部屋を出ると、
                                        静かな宵闇の重く湿った空に、どこかの汽笛が聞こえてきた。


 ふぅ、なんか重いな。自分の気持だけじゃない、雛子の想いが……。


 彼女と過ごした後悔はない、しかしこのもやもやとした気持は何だろう。


 たぶん、花子と雛子を同時に愛する事の難しさだろうと思う。それは罪悪感を伴った痛みとして心の奥底を刺されるようだ。


 沈み込んだ気持を引きずって部屋のロックを解除して、靴を脱ぐと、
パタパタとスリッパの音がして、リビングの扉が開く。


「おかえり~!」


 煌めく黒髪を靡かせて、俺の胸に飛び込んでくるエプロン姿のクリロー花子。


透き通る様なすみれ色の瞳が俺を見上げている。甘い香りに全身が包み込まれていく。愛くるしい笑顔がやけに眩しい……。


「……ただいま」
 俺は沈み込んだ気持を振り払うように笑顔を作った。


「ねぇ、遅かったのね。本屋さん?」
 花子の無邪気な眼差しは俺の胸を抉るようだ。


「あぁ、ちょっと欲しい本があってね。探し回っちゃったよ」


「そうだったのね、居ないから心配しちゃった」
 彼女は身体をぶつけるように俺に抱きついた。


「ごめん、さぁ夕飯にしよか」


「うん、もう出来てるわよ。今夜はあなたの好きなマグアンプよ」


「そうか、ありがとう。直ぐにいただこうかな」


 俺は花子を抱きしめながら、気持のざわつきを止められないでいた……。


(fin)