yuurakusai2のブログ

手間をかけない小さな庭の物語(クリスマスローズ、雪割草、ハーブ等、小さな庭に自生している花々を投稿していきます♪)

閑話休題、突然の訪問者

 それは、唐突だった。


 夕食を食べ終わって、あたしは後片付けをしていた。
不意にインターホンが鳴ったのでモニターを覗いてみた。


「居るんでしょ。私よ、真梨恵よ。開けて頂戴!」
 知らない女性がモニターに写っていた。


「どちら様でしょうか?」


「えっ?何よ、遊楽さんの部屋でしょ?」


「そうですが……」
 あたしは、彼を振り返った。


「仕方ないな、開けてやれ」
 彼の渋い表情で招かれざる客だと思った。


 部屋に入ってきた女性は黒いタイトスカートに淡いピンクのブラウスを着ていた。


  黒髪を結い上げているのは着物でも着ていたのだろうか?


 年齢は二十代後半、もしくは三十になっているか、かなり濃い化粧なので検討がつかない。


「遊楽さん、どうして店に来てくれないの?電話にも出ないし、メールの返信も無しってどういう事なのかしらね」


「仕事が忙しかったんだ。仕方ないだろ」


「へー、今までだって 忙しくっても来てくれたわよね」



「……で何か要件はあるのか」


「要件が無きゃ来てくれないって事なのかしら?」


「まぁ、そう尖るなよ。明日、店には行くから」


「……お待ちしております。じゃその時に新しい子を面接して欲しいのよ」


「んっ?新しい子って?」


「あなたも知ってる「樹々」から移動したい子がいるのよ」


(続く)